「聞く」と「話す」の探求講座 〜言葉の景色を見る勉強会〜 のご案内

公開日: 2016-03-15 企画の案内

目の前に、自分に耳を傾け続けてくれる人がいるとき、
語られる言葉はその人が生きている世界の全てを
反映している。 しかも、それは音声だけでなく周りから
聞こえる音も反映している。※1

そういうコトバを聞きたいとき、
聞き手は耳を澄ますことしかできず、
質問や意見をすることは聞き手の世界を
そこに差し込むことになり、
かろうじてできるのは、
話し手のコトバをなぞることでしかない。※2

そういうことを、ぼくは橋本久仁彦さんから教わった。※

ただし、今いったような
一人の人間が持っているコトバの奥行きの全ては
生身の人間が見ることは絶対にできない。

それらを正確に見るためには、
音声の録音と逐語録という日常の会話には
存在するはずのないものが必要になる。

橋本さんはそのことをさして、
「ぼくたちは人のコトバを聞けない事実に絶望するだけだ
という。

ぼくは、
世界がひっくりかえるような衝撃を受けたのを覚えている
これまでもこれからも、
毎日話したり聞いたりする言葉の捉え方が
全く変わってしまったからだった。

それから8年、
自分なりに探求したコトバの聞き方も土台に乗せて、※4
集まった方と視界を高め合う場を開きます。

自分自身、ファシリテーターとして場を開いたり、
上司や部下として職場で話を聞いたり、
仕事としてあるいは家族や友人として
人の相談を聞くときに、
見過ごされてしまう「なにか」を
できるだけ深くたどっていくのに、
この視界は必須のものでした。

そういう「なにか」は
世の中からも見過ごされているので、
そんなものばかり聞き続けたばかりに、
へんてこな人生を歩んでいるような気もしますが、
今のところ毎日ものすごく楽しく生き続けております^^

世の中で「うまく」生きることに
役に立ったかは分からないけど、
自分の声を聞き続けられるようになったことが、
こういう聞き方に出遇って探求してきたことの
何よりの成果だなぁと思います。
よろしければ一緒に探求しましょう。

小林健司

日程:2016年5月7日(土)10:30〜16:30
場所:中根住区和室(仮)
人数:8名程度
参加費:4000円
世話人:小林健司
主催:ゆくくるメンバー(中尾サトシ、中尾絢子、小林直子、小林健司)

<お申込み>
下記内容を ordinaryworld0420(at)gmail.com まで
(at)を@に変えてご連絡ください。

・お名前
・電話番号
・企画名を件名か本文に記載ください。(近い日程で複数開いているため)

 ・その他(何かあればご自由に)

※レビューをする音声と逐語録を持ち込みたい方を先着にて2名まで
 受け付けます。やり方など、詳しいことはお問い合わせください。

※1
日常で、タイミングよく動物の鳴き声や、周りの物音がしたとき「偶然にしてはすごいタイミングだね」なんてことを言いますが、耳を澄ます人に語っている人の音声を録音したものを聞くと、その場では聞こえていない音までシンクロしているのが聞こえます。
これは、人や場所が違っても繰り返し表れてくる一つの現象的な事実でその事実から言うなら、「偶然にしてはすごいタイミング」じゃなくて、「あたり前のように鳴り続けているタイミングの良い音が耳を澄ますと聞こえてくる」となります。

※2
心理学で「オウム返し」や「ミラーリング」という、語られた言葉をそのまま返すことで、考えの整理になったり相手との関係が近くなるとされている「技法」に似ていますが、橋本さんが「応答」(レスポンス)と呼んでいるものは根本的にそういった技法とは異なっています。「〜というか」とか「〜なんですけどね」という語尾まで一言一句そのまま繰り返す「応答」の根本にあるのは、相手が自分のコトバを探る動きをできるだけ邪魔せずに、聞き手であり続ける姿勢だと理解しています。

※3
ぼくにとっての橋本久仁彦さんは、コトバの世界を教えてくれた恩人。
心理学やカウンセリング視点と仏教や瞑想の視点を融合させた世界の 捉え方は、橋本さん以外に聞くことはできない。それもそのはずで、橋本さんが語るのは橋本久仁彦が橋本久仁彦として生きてきたことが中心になっていて、その語る内容に心理学や仏教の用語が使われていても、語っているのは橋本さんの人生なのだ、と思っている。
橋本さんのHPはこちら。 http://www.enzabutai.com/
「ミニカウンセリング研鑽クラス」がぼくがひっくり返った講座。

※4
自分なりに探求してきて言葉になってきたのは、文学を読むようにコトバを聞くような捉え方とうような視界です。といっても、ぼく自身は文学作品をたくさん読んだり、愛好してきたわけでもないんですが、言葉を、言葉以外の何か(社会的な価値や意味とか)で切り取らず、言葉そのものとして扱う「書き言葉の芸術」の視点から、ぼくは大きな影響を受けました。
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