ぼくの東京物語 その1 深夜バス
公開日: 2015-06-01 ぼくの東京物語
東京・福島に行ってきました。
そのときの景色を少しずつ綴っていきます。
行く前の記事はこちら。
【いざ東京へ!自分で東京出張を作って行ってきます。】
【東京に続き、福島で円坐をしてきます】
===
2015年5月。結婚して丁度一年が経つこの月に、ぼくたちは夫婦で東京に行くことになった。ガラガラと音が鳴るケースを引きずりながら深夜バスの停留所に着くと、本当に夜の11時なのかと疑うほどたくさんの人がいる。100人以上いる人たちのほとんどは大学生くらいに見えたけれど、中にはサラリーマン風の男性や、40代くらいの人も混ざっていて、日本の都市部というよりは学生時代に何度か行ったベトナムとかインドの雑多な空気に近いものがあった。
「もしこの人たちがお互いの話を聞き合って、一緒に何かをすることになったらすごいパワーだろうな」などという妄想をしながらバスの発車を待っていると、ふと「30を過ぎた夫婦が大学生と同じ高速バスなんてちょっとみじめかな」という考えが頭をかすめる。何年か前の自分ならそう思っていた気がするし、そのように見る人もいる気はするけれど、そのときのぼくとなっちゃんには、みじめな気持ちは欠片も無かった。
一応東京に行ったら、いくつかの仕事を入れているけれど、人が来て参加費が発生したら収入になるような仕事だから、当てにできる収入はほとんどない状況で、むしろ、自分たちの身の丈にあった金額で身体を運んでくれる移動手段があることがありがたかった。なにより不思議なご縁で東京に行くことになったことが楽しかったから、ただ「東京へ行く」ということだけが大切で、それができればバスでも電車でも何でも良く、時間はかかるけれどお金があまりかからないバスを選んだ。そして、そうやって辿り着いた停留所の風景を見ているだけで、ぼくらは楽しかった。
【 次へ 】
そのときの景色を少しずつ綴っていきます。
行く前の記事はこちら。
【いざ東京へ!自分で東京出張を作って行ってきます。】
【東京に続き、福島で円坐をしてきます】
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2015年5月。結婚して丁度一年が経つこの月に、ぼくたちは夫婦で東京に行くことになった。ガラガラと音が鳴るケースを引きずりながら深夜バスの停留所に着くと、本当に夜の11時なのかと疑うほどたくさんの人がいる。100人以上いる人たちのほとんどは大学生くらいに見えたけれど、中にはサラリーマン風の男性や、40代くらいの人も混ざっていて、日本の都市部というよりは学生時代に何度か行ったベトナムとかインドの雑多な空気に近いものがあった。
「もしこの人たちがお互いの話を聞き合って、一緒に何かをすることになったらすごいパワーだろうな」などという妄想をしながらバスの発車を待っていると、ふと「30を過ぎた夫婦が大学生と同じ高速バスなんてちょっとみじめかな」という考えが頭をかすめる。何年か前の自分ならそう思っていた気がするし、そのように見る人もいる気はするけれど、そのときのぼくとなっちゃんには、みじめな気持ちは欠片も無かった。
一応東京に行ったら、いくつかの仕事を入れているけれど、人が来て参加費が発生したら収入になるような仕事だから、当てにできる収入はほとんどない状況で、むしろ、自分たちの身の丈にあった金額で身体を運んでくれる移動手段があることがありがたかった。なにより不思議なご縁で東京に行くことになったことが楽しかったから、ただ「東京へ行く」ということだけが大切で、それができればバスでも電車でも何でも良く、時間はかかるけれどお金があまりかからないバスを選んだ。そして、そうやって辿り着いた停留所の風景を見ているだけで、ぼくらは楽しかった。
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