ぼくの東京物語 その5 テレビを「持たない」人のダイアログサークル

公開日: 2015-06-05 ぼくの東京物語

東京・福島に行ったときの景色を少しずつ綴っています。

行く前の記事はこちら。
いざ東京へ!自分で東京出張を作って行ってきます。
東京に続き、福島で円坐をしてきます

前回までの記事
その1 深夜バス
その2 聡志とじゅんちゃん
その3 東京
その4 わーさんとかよちゃん

====
夕方、聡志とじゅんちゃんと合流するためにわーさんの家を後にする。会場に着くと聡志もじゅんちゃんもまだ来ていない。夕暮れ時、気温が丁度良くて、風が心地よく通り過ぎていく。そのまま、会場に来る途中に買ったお弁当を外で食べながら待つ。

しばらくして聡志が自転車に乗ってやってくる。前回、大阪の家に泊まりにきていた聡志が、今は自転車に乗っているのをみて、東京に来たのだな、という実感が湧いてくる。開始する時間が迫っていたし、まだキャリーケースを引きずっているぼくにとって、何もかもが初めてな中での緊張感もあって、そのときその感覚を言葉にする余裕はなかったのだけれど。


「久しぶり」「今日は何人くらい集まってる?」、聡志と話しながら会場の準備をする。この日の集まりの名前は『テレビを「持たない」人のダイアログサークル』。2月に大阪で聡志と一緒に開いた催しの東京版。テレビを持っていない人が参加条件というだけで、あとは集まった人で自由に話をする。

「いよいよ今日から始まると思うと楽しみで・・」会の最初にそんなことを思いつくままに話した気がするけれど、ほとんど覚えていない。話は、予想通りぼくらが想像もしていなかった展開をたどる。テレビの話はもちろんしたけれど、丁寧に生きることとサーフィンで波に乗る感覚が似ていることとか、新幹線の掲示板に流れる文字からも影響を受けていたことに気づいた話とか、影響は自分から受けにいっているんじゃないか、ということを話した。

会の終わり、聡志がどうしても自分が見過ごせないことがあって、頭では影響を受けに行っている自分がいるのは分かるけれど、単純にだからどうでもいいことだと思えなくて、、という話を始めた。

「それは自分にとって大事なもの何じゃないか」「いや、それは執着なんじゃないか」集まった人がそれぞれに話をする。さとしはぐらぐらと揺れていた。その揺れは、目の前にいる人たちと一緒にいるために、自分の感覚とその場にいる人の語った景色を、必死に往復しているように見えた。

ぼくはそんな聡志のことを見て、頼もしく思っていた。確か会の終わりにそんなことを話した気がするけれど、やっぱりほとんど覚えていない。そして、初日の夜の催しは終わった。

帰り道、参加してくれた人たちと話が弾んで、一緒にご飯を食べにいく。ビルの二階にあるイタリアンレストラン。丁度外にある席が空いていて、店員さんが「外になってしまうんですが」と言ってそこに通してくれる。目の前には葉っぱが茂っている桜の木があって、気持ちのいい風が吹く中で、ご飯を食べる。

気がつくと「そろそろ閉店なのでご協力を・・・」、申し訳なさそうに店員さんが伝えにくる。それでも話の勢いは衰えず、出るタイミングを失っていたら、店員さんが二回目の「ご協力を・・・」を言いに来た。ぼくらは慌てて店を出た。

 次へ 
  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A

0 件のコメント :

コメントを投稿