ぼくの東京物語 その4 わーさんとかよちゃん

公開日: 2015-06-04 ぼくの東京物語

東京・福島に行ってきました。

そのときの景色を少しずつ綴っていきます。

行く前の記事はこちら。
いざ東京へ!自分で東京出張を作って行ってきます。
東京に続き、福島で円坐をしてきます

前回までの記事
その1 深夜バス
その2 聡志とじゅんちゃん
その3 東京

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東京駅から、双子の子どもを育てながら暮らしている「わーさん」と「かよちゃん」の家に向かう。慣れない東京の街を移動すること2時間ほど、子ども二人と大人二人、見知った顔に出会えてほっとする。

わーさんこと和田さん一家とは、周りが山で囲まれた岐阜の友人の家でしか会ったことがなかったから、住宅地とはいえ街の中で一緒にいるのが新鮮だった。最近の近況、料理のこと、子どもたちとのおしゃべり、これからのこと、特に何をするというわけではないけれど、普段の暮らしの中にお邪魔して時間を一緒に過ごす。

子どもが破った障子とか、二人の子どもに最大限のスペースを与えて一番身体が大きいわーさんの机が家の片隅にちょこんと置いてある様子とか、そこにあるモノたちがここで4人が生きていることを語っていた。

手づくりの昼食をふるまってもらった後、いつも子どもたちと散歩に行っているという森に出かける。森の中には丸太で作られたベンチがあって、ぼくが「東京らしさ」を感じた東京とは全く違う空間が広がっていた。

しばらくして、双子の兄弟が木の棒をとりあってケンカを始める。一人が力ずくで奪い、もう一方は泣きじゃくっている。ぼくたち以外には誰もいない森の中で泣き声が響き渡る。

4人の大人は注意するでもなく、慰めるでもなく、その場に一緒にいた。後で聞いたら、それぞれにどうしようか揺れていたらしいので「見守っていた」といえるような立派な態度なんかじゃないのだけれど、そういう揺れも含めて6人の人が一緒にいれた時間が、まだ目に耳に焼き付いている。

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