対称性心理学 あるがままの心理学
公開日: 2014-10-23 対称性心理学
今年の夏、沖縄旅行に行ったら台風が直撃した。 台風の翌日に海辺に行くと、漂着した果物が たくさん流れ着いていた。いくつかは食べられた。 |
中沢新一さんは、
「カイエ・ソバージュⅤ」(講談社選書メチエ)で
『対称性人類学』というサブタイトルをつけて、
人類誕生から現代までの歴史を、「対称性」という
視点から観察・考察していた。
で、対称性心理学というのはどうだろうか。と考える。
じぶんの存在と、その他一切のものが対称性を持つ
と言うことに力点を置いた心理学。
対称性を考えるために、まず非対称について考える。
「非対称的な関係」とは、
なんらかの操作性や攻撃性を含んだ関係性のこと。
たとえば、援助や支援をすることは、
他者との非対称な関係を築く可能性がある。
というのは、対称性心理学にとって、とても大切な
おさえどころ。テストがあれば必ずでます。
友だち同士、あるいは家族で話しているときに、
「これちょっと持ってて」
「いいよ」
というやり取りのように、分かりやすいものだけ
だったら難しいことは一つもない。
けれど、たとえばそれが、
どんなに重くても、本人がじぶんで
持っていきたいと思っているものだったら?
本人も、だれかに持ってもらいたいけれど、
手を貸したら意味がなくなるものだったら?
話は随分変わってくる。
望みもしないのに人のものを持てば、
それはちょっとした暴力性もおびてくる。
でも、「常識」や”社会的な正義”の側面からは、
弱っている人を助けることは、正しいことだし
困っている人を援助することは、善良な行為だ。
「誰かを助けたり、援助することが
本当にいいことかは分からない」けれど、
こうして、非対称的な関係が築かれることが
肯定され、広がっていく。
動かすための道具ではなく、
たとえば「交換のためのツール」という
お金本来の働きをすることになる。
もし、お金を使って、相手の態度を
変えさせようとする場合、
関係性は非対称的なものになるし、
お金は本来の役割をはなれて、
関係性に影響をおよぼす”なにか”になる。
同じように、
対称性のある関係では、計画や約束は、
単に将来の方向性をガイドする指針にすぎないが、
非対称的な関係では、
一方が他者を管理するための道具として利用されたり、
遵守することに全エネルギーを注ぐべきものになる。
対称性を保った世界では、
そこにあるモノ(物質的にしろ精神的にしろ)は、
あるがままの形で存在する。
非対称的な世界では、あらゆるものが、
あるがままには存在できない、
もしくは存在しにくくなる。
あるがままでも、まるで精密に計算されたシステムのように、
機能や役割を分担して、全体がうまく運ばれていく、
ということを知っているかどうかが、
対称性に生きるのか、非対称な世界をつくるのかの分かれ道となる。
今日の授業はここまで。
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