対称性心理学 その2(対称性ってなに?)
公開日: 2014-10-27 対称性心理学
前回の続き、
対称性というときに、単に”同じ”とか”平等”というのと
違う感じがする。じゃあ、対称とはいったい何なのかが
今日のテーマです。
ネットで辞書を調べてみると・・・
たい‐しょう【対称】
1 ものとものとが互いに対応しながらつりあいを保っていること。
2 二つの図形が、点・線・面などについて互いに向き合う位置関係にあること。
3 結晶面のある面による鏡像、またはそれをある軸のまわりに回転させたものが、他の結晶面に一致する性質。
とのこと。
1の「対応しながら釣り合いを保っている」
というのが対称という言葉の、王道のイメージだろう。
「釣り合い」には、均衡とかバランスなどの意味があるが、
「調和」という意味もあるそうだ。
これを踏まえて、人間についての対称性を語ってみると、
「人と人がお互いに対応しながら調和していること」
ってことになる。
これってそのまま、ぼくが”きく”ことを通して
学んできた”人のありよう”な気がする。
ちなみに、
人類の進化という側面でも、歴史的な経緯をみても、
人間は関係性の中で生きつづけてきた存在だ。
これについてはまた今度書こうかな。長くなるので。
個人、なんていう確固たる個別性なんてものはなく、
ぼくらは関係性によって変化し、形を変えていくことは、
近年、心理学の側面からも言われるようになってきた。
つまり、ぼくらは
「お互いに対応しながら調和する生き物」ということ。
だから、正確には、
対称性のある関係性が良いとか、目指すべき、
っていうことではなく、
「人ってもともと対称性がセットされた生き物だ」
ということになる。
そして、さらにそのとき、
お互いに向き合う位置関係にいて、
(お互いの姿を見ていて)
お互いの位置を、回転(反転)させたら、
一致する性質を持っている。
なんてことも言ってみたい。
心理学には「投影」という言葉がある。
投影(とうえい)とは、自己の悪い面を認めたくないとき、他の人間にその悪い面を押し付けてしまうような心の働きを言う。一般的には悪い面を強調することが多いが、良い投影も存在する。 投影は日常生活においてよく起こっている。例えば、なんとなく嫌いだった人物が、実は自分の否定的な、認めたくない面を体現していたなどである。(wikipediaより)
引用した例の場合だと、この後、
認めたくない面ってどんなものかをみていき、
それをケアしたり、治したりするのが、
いわゆる一般的なカウンセリングのアプローチ。
これはこれで、一つのアプローチだけれど、
せっかく、お互いに向き合っていて、
ぐるっと位置を交換したら一致する存在同士なら、
目の前にいる人とのかかわりこそが、
じぶんへのケアになったりもするのも事実。
じぶんの中をみつつ、目の前にいる人と関わる、
この2つを同時にしていくことで、
対称性を保った関係が営まれる。
この対称的な関係性で成り立った人の営みが
見えていなかったり、無視していたりすると、
関係性は対称では非ざる(あらざる)ものに
なっていく。
これを非対称な関係、という。
第2回目の授業はここまで。
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