書く技術はいらない。じぶんをなぞればいい。

公開日: 2015-01-24 日記

ノートや紙に、手がかりを書き出すのは、
山を歩くときに地図やコンパスを見るのに似ている。


文章を書くときに、どれだけ時間を使っても、
まったく形にならないことがある。



そういうときは、
人に”合わせにいっている”ということに気づいた。

「こんな出だしにすれば興味を持ってくれるんじゃないか」
「これはインパクトのある言葉だ、どこかで使おう」
「こんなこと書いたらどう思われるだろうか・・」

そんなことを考えていると、
じぶんがなにを書きたかったのかを見失い、
迷子のように文字の森をさまようことになる。

書いては消し、書いては消しの繰り返し。

言葉にならないもどかしさと、
時間を使った割になんの形にもなっていない焦りで、
ついには書くのをやめてしまう。


で、3日前くらい前に、じぶんの中の事実を
1つ1つ追いかけられていないことに気づく。

”事実”とは「起こった出来事の順番」とか、
「そのとき感じた感情や感覚」のこと。

見せ方を気にして書いているうちに、
起こった出来事の順番を変えたり、
そのときの感覚を正確にとらえずに書きだして、
「これじゃわかりにくいかな」 なんていって悩む。
書けないときの状態をもう少し細かく言うとこんな感じ。

伝えたいことも明確じゃないのに、
伝わるかどうかが気になって書けなくなる。
これって、まったくへんてこな状態だ。
でも、書いていると無意識に他者を想定するから、
油断すると、ついついこんな状態になる。

だから、書けなくなったときには、
油断すると歪められたり、消えてしまうような、
じぶんの中にある事実を確認したらいい。

こう考えると、急にものを書くことのハードルが
グッと下がる気がした。

じぶんの外にあるものを切り取って形をつくることが
書くことだと思っていたけれど、
じぶんが通ってきた道や、そこで見た風景、
そのとき思ったことや感じたことを、
そのまま丁寧になぞるだけでいいのだと分かったから。


これは、ぼくが今まで教えられてきた書く技術とは
全く違う考え方だけれど、ものを書く経験を積んで
分かってきた重要な事実。

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