ぼくの東京物語 その12 円坐と橋本久仁彦さん

公開日: 2015-06-16 ぼくの東京物語

東京福島にいったときのことを小説風に綴っています。
円坐やそこで見える景色を文字で表す実験でもあります。

前回までの記事
その1 深夜バス
その2 聡志とじゅんちゃん
その3 東京
その4 わーさんとかよちゃん
その5 テレビを「持たない」人のダイアログサークル
その6 夜の帰り道
その7 聡志とじゅんちゃんの家の朝
その8 夫婦サミット
その9 影舞 
その10 メキシコ料理店 
その11 たぬき村

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円坐というのは、2日目の影舞と同じく、ぼくたち4人が共通して影響を受けている橋本久仁彦さんが名付けて実践しているもの。

そういえば、ぼくたち4人がこうして集まっていることの、間違いないきっかけとして橋本さんの存在がある。多分橋本さんがいなければ、ぼくらは出会っていないだろう。

でも、「橋本さんのおかげで出会ったのか」と聞かれると、はっきりそうだとは答えれない気がする。出会ったのはぼくたち4人で、橋本さんによって促されたわけでも引き合わされたわけでもない。

聡志とじゅんちゃんがぼくたちにメールをしなければ東京に来ていないのと同じように、橋本さんがいなければぼくたちは出会っていないという事実だけがそこにあって、それはそれ以上のものでも以下のものでもない。だからこそ、橋本さんの存在はぼくらにとってとてつもなく大きいのだけれど、それは同時にぼくたちの存在の大きさの確かさでもある。

これを書きながら、この物語の最初にどうして橋本さんのことを書かなかったのだろうと、不思議に思う気持ちも起こったのだけれど、やっぱりこれはぼくたち4人の物語だから、あのとき最初に橋本さんのことを書くことはできなかったのだと思う。

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