ぼくの東京物語 その16 四日目の朝
公開日: 2015-06-24 ぼくの東京物語
東京福島にいったときのことを小説風に綴っています。
円坐のような質感を文字で表す実験でもあります。
前回までの記事
その1 深夜バス
その2 聡志とじゅんちゃん
その3 東京
その4 わーさんとかよちゃん
その5 テレビを「持たない」人のダイアログサークル
その6 夜の帰り道
その7 聡志とじゅんちゃんの家の朝
その8 夫婦サミット
その9 影舞
その10 メキシコ料理店
その11 たぬき村
その12 円坐と橋本久仁彦さん
その13 東京 東西円坐
その14 東京 東西円坐 朝
その15 東京 東西円坐 午後
=====
4日目、いつものようにぼくが最初に起きて、ほかの人が起きてくる。いつも出してくれる家のパン焼き機で作ったパンとヨーグルトを食べて出発する準備をする。
今日の昼は「聡志のかあちゃんの料理を食べる会」がある。
都心から郊外へ一時間ほど、電車を乗り継いで移動する。人が多いのと、ヘタに立ち止まると後ろを歩く人がぶつかってきそうで、聡志とじゅんちゃんの後をとにかくついていっただけなので、どの線をどうやって乗ったのか覚えていない。
電車の車窓から見える景色が、少しずつ変わっていく。背の高い建物でびっしりと埋まっていた風景は、少しずつ空き地が見えるようになったりしながらゆるやかになっていく。
東京に来て感じていた「土地の中にきっちりおさまっている感じ」は、もしかしたら過密に集中した土地の中で、摩擦を少しでも減らすための工夫だったんじゃないだろうかという考えが、車窓から見える景色を思い返しながら浮かんできた。
聡志の実家の最寄り駅は、大阪にもありそうな郊外の駅で着いた瞬間に居心地が良かった。もともと大阪出身でもないくせに、大阪暮らしも10年以上経つと、他所の土地に来たら大阪を思いだすようになるらしい。
家に着くと、聡志のお母さんはご飯を作っていた。
【 次へ 】
円坐のような質感を文字で表す実験でもあります。
前回までの記事
その1 深夜バス
その2 聡志とじゅんちゃん
その3 東京
その4 わーさんとかよちゃん
その5 テレビを「持たない」人のダイアログサークル
その6 夜の帰り道
その7 聡志とじゅんちゃんの家の朝
その8 夫婦サミット
その9 影舞
その10 メキシコ料理店
その11 たぬき村
その12 円坐と橋本久仁彦さん
その13 東京 東西円坐
その14 東京 東西円坐 朝
その15 東京 東西円坐 午後
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4日目、いつものようにぼくが最初に起きて、ほかの人が起きてくる。いつも出してくれる家のパン焼き機で作ったパンとヨーグルトを食べて出発する準備をする。
今日の昼は「聡志のかあちゃんの料理を食べる会」がある。
都心から郊外へ一時間ほど、電車を乗り継いで移動する。人が多いのと、ヘタに立ち止まると後ろを歩く人がぶつかってきそうで、聡志とじゅんちゃんの後をとにかくついていっただけなので、どの線をどうやって乗ったのか覚えていない。
電車の車窓から見える景色が、少しずつ変わっていく。背の高い建物でびっしりと埋まっていた風景は、少しずつ空き地が見えるようになったりしながらゆるやかになっていく。
東京に来て感じていた「土地の中にきっちりおさまっている感じ」は、もしかしたら過密に集中した土地の中で、摩擦を少しでも減らすための工夫だったんじゃないだろうかという考えが、車窓から見える景色を思い返しながら浮かんできた。
聡志の実家の最寄り駅は、大阪にもありそうな郊外の駅で着いた瞬間に居心地が良かった。もともと大阪出身でもないくせに、大阪暮らしも10年以上経つと、他所の土地に来たら大阪を思いだすようになるらしい。
家に着くと、聡志のお母さんはご飯を作っていた。
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