お金のインタビュー 高玉要さん その4

公開日: 2016-03-06 お金

「「親として何を残せるだろうか。」ってことは考える。」

小林:メキシコの漁師の話知ってる?(その日に必要な分だけ漁をして、家族とゆっくり暮らしているメキシコの漁師がアメリカのビジネスマンに出会い、もっと 稼がないのか?と尋ねられるところから始まる話。アメリカ人がビジネスの魅力を語るが、お金を得た後に何をするのかと逆に質問された時に話した内容は、メ キシコ人が今の暮らしで実現しているものと同じだった。という海外版の短い落語?のような話。詳しくは「メキシコの漁師の話」で検索下さい。)

高玉:ええなー、おもしろい話やなこれ。本当にしたい事ってそこでしょ?

小林:本当にしたい事はそこ?

高玉:そこなんですよね。ほんまに、家族、友人、と過ごすっていう、ところじゃない。ほんまにしたいことって。ほんまにしたい事って何だって言われたら。

家族が増えてそう思うようになった。で、今後どんどん増えていくわけ。子どもができたりとかしたら増えて。嫁さんとか、子どもといる時間とかが基本的には 中心になるやんか。で、彼らのために一生懸命働いて、全然家に帰ってこないっていうね。根本的に何か違うって思うけどな。みんなおかしくないかと思って ね。ほとんどの人がそういう価値観やから。

小林:異常な感じがするね。

高玉:何か、より異常さが増していってる感じはするんだよね。
   

時間ない、人とか普通やからね。どこにいったんやその時間は。
子どもできてみいな。週末だけで関わって、子どもの何を知れんねん。

小林:そらお母さんべったりになるわな。

高玉:「親として何を残せるだろうか。」ってことは考える。自分の親に対しては色んな感謝があるけど、親の生き方や親の考え方が残っているかっていったら、うちはそうじゃない。
    

自分が親になっていくときに、それはちょっと悲しい。「親父こう言ってたな。」っていうことがないとしたら、それは悲しい。

小林:確かに、親父と過ごしたあの日、みたいなのないな。おかんは何個か出てくるわ。小学校の頃、泣きながらなんかなだめてもらったな、っていう。

高玉:親父に関してはほぼないな。うちのオヤジは公務員だったから、家にいる時間は長かったはずやけど、それでもない。
    

唯一思い出せるのは、小学校1年生くらいで水泳を習い始めた頃に、怖くてよく泣いてたんよね。
    

僕が通ってたスイミングスクールは親がガラス越しに見れるようになってたんだけど、「怖いよー。」ってなった時に「お父さんがいるはずだ。」って見たときの表情がものすごく優しかってん。
    

それ以来見た覚えも無いけど、それくらいかなり心に残ってる。口をあけて笑ってたわけでもないし、ただ何となく優しい顔で見てくれてたっていう。
    

多分、一切目を離してなかったんだろうね。だって、振り返った瞬間から見てんねんから。そらちょいちょい、若い女の先生とかがいたら、当時オヤジも30代でしょうから見てたでしょうけど。笑

でも、そのときの表情って言うのが忘れられなくて、見守ってくれてることの安心感。ていうのは、やっぱ自分自身が相当に感じたので、手楽器で子どもの接するときには、それが一番なんよね。

つらい時とか、しんどい時にして欲しいのは、直接的な手助けとかでは無いと思ってて。そら、シーンによってはあるかもしれんけど、もっと上位にあるのは見 守るってこと。子どもは、自分なりに解決したいって言う考えとか力って持ってて、そこを見守ってくれていることで僕はそこを乗り越えられたよね。で、すぐ に慣れて自分一人で泳げるようになった。でも、その表情だけは残ってるよね。
    

これが、唯一といったら失礼だけど、唯一残してくれたこと。
幸運にも大きな怪我とか病気をしたことがなかったので、もし借りにオレが入院してたら、多分その顔でオレをみてくれてたなっていう想像はできる気がする。それは何かあったかいよね、そうありたいよな、と思う。いい教育だったと思う。

それをできるだけたくさん残していけるような親になりたい。今後、子どもと関わる中でもそうだし。でもそれってやっぱり時間が要るよね。

おわり
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