お金のインタビュー 長尾文雄さん その3

公開日: 2013-03-01 お金

日本の社会そのものが構造を変えていく必要が出て来た

長尾:今、里山のことに取り組んでる人も近いことをいってるよ。「里山、里山」ゆって、一時期騒いでたのは、生態系を守るようなことに目がいってたんだけども、やっぱりそこには生活がある。タケノコ掘り出したり、キノコ取ってきたり、イノシシとってきたりしながらね、そうして食ったてたんやと。そういう生活と関連して里山が見直されるんだったらいいけど、里山という自然状況だけを守らなならんというのだったら、それはちゃうんじゃないかって。そこの生活を守らないと里山は守れないし、里山も生まれ無いんやと。いうようなことをね、言っている人もいます。

でもそういうことを、実現してもいいんちゃうかって思うわけですよ。農村開発とか、稼げる農業とか、そこへ行く前にやらなならんことっていうのは農村の再生ですよね。そのためには、お金を稼ぐんじゃなくて、そこに住んでたら食えると言う、まずはそれができないとあかんのちゃうかってことなんですよ。

小林:最近思うんですが、何かを得ることは何も考えずにできるけど、持ったものを捨てるって言うのは決断がいるなーと。里山を保護しましょうというのは、所有する感じに近いと思うんですよ。でもそこで生きるとなると、ある意味都市にある何かを捨てたりとか、選択を伴うものだと思って。だからその、さっきの稼げる農業だというのも、ある意味、農というものを持つこと、お金を得るんだ、ということなのかな、と。震災の話を以前にしましたけど、本来震災から学ぶべき事ってそういうことなんじゃないかと思う事があります。

長尾:そうね。だから僕も、ここ1年くらいよ。一人で食う、食い扶持をえるっていう発想っていうのは。だからお金に換算しなくたっていけることは何やろう、っていったらやっぱり第一次産業に戻るわけや。お金無くても最初は良かったわけや、その次に少し、貨幣と言うのができてきて、作ったものを交換する。お金の交換して、次の新しいものを、自分たちが得られないもの得るという、交換貨幣が産まれてきたわけだしね。で、それが今はその貨幣に支配されてしまってるわけですよ。

小林:ちなみに、その、この1年くらいっていおっしゃいましたよね。食って行けるようになるという発想で考えるようになったのが。

長尾:それは、最近発達障碍とか、そういう子達を支援するため、とかいって、就職の斡旋とかやってるでしょ。それにかけてるお金いうたらすごいんや。じゃあそれで就職できて、その人たちが幸福なんか?いうたら幸福じゃない人が多いわね。例えば、なんとか入社したって、能力が追いつかないとかね、あるいは人間関係がうまくいかないとかいって、その企業の中で横に置かれたり、いじめられたりして不幸がみえてるやん。

よっぽど、その人の能力が認められてね、その人の働ける場所にうまく出会ったら、重宝がられると言うか、価値がでてくるわけやけども、その確率ゆうのは非常に少ないわけでしょ。今、日本の生産現場において、その人たちができるような仕事って言うのは全部ロボットがやってるやん。かつてはね、そういうことができれば貴重やったわけやけどもそれは今無いわね。ほなどんどん知的行動とかITとかが活用できたり、あるいはそういうものを使わないで企画をしたり交渉したりとか言ったりする能力が問われるっていったら、ますます活躍できる場所なくなるやんか。

そして僕なんかの友人の子どもの中に知的障碍を持ってるっていう人がいて、「子どもが障碍持っててどうしようか」って悩んではるわけですよね。まあそういうことからすると、やっぱり日本の社会そのものが構造を変えるっていうかな。古い形には帰られないかもしれないけども、原理的に、いわゆる農業というものがもっていたことを思い起こして、これこそイノベーションやんな。構造改革ですよね。そういうところに立ち入ったっていんじゃないかな、っていう風に思うんですよね。

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