はじめてのおつかいが泣ける理由

公開日: 2017-02-23 暮らし

もうやってないとおもって検索したら今もやってるみたい。




昨日テレビについて書いて
よく見ていた番組を思い出した。

「はじめてのおつかい」

っていう、

所さんが司会のやつ

好きだったな―と思いながら寝たら、
なんで思い出すほど好きだったのか
朝浮かんできてそれを書き出している。


二つ違いの兄がいるからか、
特に兄弟で行くやつは、
毎回はらはらして感動していた。

帰り道近くなると、だいたい弟が
「もういやだー」とか言って泣き出して
それで兄が「荷物もってやるから」
なんて必死でなだめながら
用事を済ませて家に着いて、

でも家に付く頃にはもう真っ暗で
さすがにお兄ちゃんも限界で
代わりに持った荷物は肩に食い込んで
でも弟がいるから泣くのはこらえて、
家の明かりが見えてお母さん出て来て、
一気に張り詰めていたものがゆるんで
泣き出してしまって、
「がんばったね」って抱きかかえられて
家に入る。


カメラマンとか音声さんが変装して
バレないよう、でも番組が成立するよう、
必死でまわりにいる姿も好きだった。

ときには話しかけられて困惑したり。
そういうスタッフの雰囲気も含めて
好きだったのだと思う。




なんでもない行き帰りの道を
まわりをテレビクルーが取り囲んで、
とんでもないことなんて起こるはずがないのに、
弟なんてその上さらにお兄ちゃんにも守られて。

でもそんなことを本人たちは知る由もなく、
見るもの聞くもの、全部大冒険で、
泣いたり笑ったりして道を行く。

なーんでこんなに胸を打つんだろう、
と思ったらこれ、
生きることそのものに似ているからだった。


所さんみたいに、
スタジオで見ている神様みたいなのがいたとして、
ぼくたちに起こるのは、本当に人が死んだり、
もうダメだと絶望するような出来事だけど、
そういうのぜんぶ含めて、
じぶんの道を進んでいったときに、
同じように孤独や不安に耐えて来た人と
ぶつかったり出会って、
「おまえもかー」なんて話して
この道を来てよかったな
と思ってまたひとり道へ。


「はじめての人生」
ってやつで、泣いたり笑ったり道をすすむ
それ自体をするために、
ぼくらは生まれてきているのだと思う。

なーんて、そういう共通の物語があるから
言えることも、あったりするんだよね。


追記
こういう番組の合間に
保険とか防犯グッズのコマーシャルが
入るとなんだかげんなりする。
父親が急に倒れるドラマで、
医療保険のCMがバンバン流れたときは
もう露骨過ぎてちょっと笑ってしまった。
って、はじめてのおつかいで
どんなのが流れてたか覚えてないし
たぶんもう見る機会はないんだけど。
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