オウム真理教 関連事件についての参考書籍

公開日: 2018-07-07

このあたりの記事を書くにあたって読んだ本。
麻原死刑執行に思う2 誰かの正しさではなく自分の事実を追うために

ドキュメンタリー映画の作家であり、映画関連に関わらずフリーのジャーナリストとして本を出版している森達也氏の「A」シリーズは、オウム真理教についてマスコミの報道の仕方に疑問を持った作者の視点からの景色を見せてくれる。映画は「A」「A2」まで、本は現在「A4」まで出てます。麻原被告の裁判を傍聴するところから始まるA3が個人的にはおすすめ。




麻原被告の弁護人だった(公判中に自身が起訴されて弁護人から外れている)弁護士が書いた本。少し感情的だなとは感じるけれど、論点としてはまっとうなことを挙げている。悲惨な事件は、一人の凶悪犯によって起こることよりも偶然の不幸が積み重なって起こってしまうことのほうが多い。というようなことを言っていて、日本においては、いや、生い立ちを踏まえてみれば犯罪ってそういうメカニズムで発生してしまうものなのだと思う。そのあたりが親鸞の悪人正機や、業や縁さえあったら一人も殺せなかったり100人殺してしまったりするんだよ、という言葉と重なってくる。




こちらは、上記の作者が弁護団から外れた後の、控訴審弁護団が出している本。全くの嘘としてこんなものを本にすることはありえないはずで、だとすると、アメリカの冤罪事件をもとにした映画「告発」のように、獄中で精神的におかしくなることは十分にありえる。訴訟能力のない被告を死刑にし、その死刑が執行されたということ、訴訟能力を失わせた原因の要因が獄中での警察の人権を無視した被告人の扱い方にあるとすれば、問われるのは司法のあり方であり、ジャーナリズムだなんていうといかにもお決まりの、あまり実感の伴わない言葉だけれど、自分に引き寄せれば、ニュースを見るってどういうことなんだろう、という問いになると思う。




こちらは、第一審から控訴審請求まで弁護団をまとめつづけていた弁護士のインタビュー形式の本。




その他

他に下記のものも含めて、マスコミの報道と方向性が同じものも読んでみたんですが、やっぱり面白いのはマスコミと別の切り口から手探りで事実を描いたり掴んだり提示しようとするもので、その意味ではマスコミと同じ路線のは、自ら苦労して何かを表現すると言うより、皆様御存知の悪人や悪の組織がいかに悪いのか、を晒そうとするようなものばかりで、ピンときませんでした。


江川紹子
「オウム真理教」追跡2200日
「オウム真理教」裁判傍聴記〈1〉
など読みましたが、江川氏に関しては主観的な表現や、事実を見極めるというよりはじめから凶悪犯を見る目が定まっていて、客観的な状況を知るにはすこし読みにくい印象でした。

NHK取材班
未解決事件 オウム真理教秘録
「人間ははどこからきたのか」など、NHK取材班の本は結構好きなのですが、おそらく統括する人によって出来栄えが変わるのか、これは執筆者によって内容が重なっていたり、重要極秘テープ、みたいなタイトルの内容がそれほど大したことがなかったり、いまいちでした。

その他、いろんな振れ幅で読み込んでいく段階なので、続きもつくるかと。
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